お一人様の相続は考えていますか

1 「ゼロで死ぬ」は難しい

 数年前、アメリカ人のトレーダー、実業家で映画プロデューサーでもあるビル・パーキンス氏の「DIE WITH ZERO」という本が話題になったことがありました。 タイトルは文字通り、「ゼロで死ね」ということですが、内容は、金銭的に自分のために使いきるということだけでなく、人生を豊かに生きる上での大きなテーマが含まれています。

 「ゼロで死ね」というタイトルを金銭面だけに限って解釈すると、確かに、自分で働いて蓄えたお金を自分の幸福やよりよく生きるために使い切ってあの世に逝く、ということは気持ちが良さそうです。しかし、日本人は一般的に几帳面で心配性、周囲に迷惑をかけたくないという気持ちも強く、いくつになっても「老後のため」と蓄えを温存する傾向が強く、「ゼロで死ぬ」のはなかなか難しいようです。

2 疎遠な相続人にお金を残すモヤモヤ

 これまでずっと独身で「お一人様」の自由な暮らしを元気に楽しみ、老後もそれなりの施設に入ってケアを受けながら天寿を全うしよう、と考えていたところ、思いもかけないケガ(骨折など)や病気などで自由がきかなくなり、楽しみに使うはずのお金をさしてつかわないうちに、ご自分の想定より早く施設に入る、というケースもあります。
 両親は既に亡くなっており、兄弟はいてもせいぜい1人で、互いに高齢で病気持ち、甥・姪は小さい頃にあったことがあるきり、既に何十年も関係は途絶えており、他人同然というパターンも多く見られます。

 そうした場合、「兄弟と自分とどちらが先に逝くかわからないが、もし自分が先に逝けば、子どももいない自分の財産は兄弟に相続され、いずれその大半が、ほとんど顔も覚えていない甥や姪のものになるのか?と釈然としない思いになる方もいらっしゃるようです。

 もちろん、結婚していなくとも長らくパートナーだった方や、自分を手厚く世話してくれた人など、財産を遺したい相手がいれば、こうした悩みには無縁ですが、非婚・長寿社会の到来で、今後、「人生で使いきらなかったお金を遺したい相手がいない」という方は増えるかもしれません。

 お金は、貯めるのも難しいですが、使うのもまた、タイミングの見極めなどが難しいものです。
自分はどんなことをして人生を終えたいのか。やりたいことをやり切って、そのためにお金を使ったら、後は多少残ったお金が誰のものになろうと、それはそれで良し、と思えることが幸せなのかもしれません。



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行政書士樋口千恵事務所 

 

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