1.「遺産争いはお金持ちの世界だけ」と思っていませんか
令和6年司法統計によれば、家庭裁判所へ持ち込まれる遺産分割争いの案件は増加傾向にあり、調停や審判など裁判所で争うまでになった案件の35%は遺産額1,000万円以下、1,000万円~5,000万円以下が42%だそうです。
自分の寿命はわかりませんから、「ゼロで死ぬ」(もっているお金は自分のために使い切って亡くなる)のは難しいもの。借金という負の遺産を抱える方もいらっしゃる一方で、生きている限り、ある程度はお金の余裕を持っておきたいのが人情です。そして使い切らずに残ったお金などの資産は、特別に遺言書で遺贈について書き残しておいた場合などを除き、多くは遺産として相続人の間で分割されます。
「うちは特別にお金持ちではないから遺言書なんて必要ない。子供たちがいいようにしてくれるだろう」という思いの方もかなりいらっしゃるかと思います。しかし、親御さんが遺したまとまった資産を複数の相続人で分け合うことになる、となると、事情が複雑になることも少なくありません。相続人の間で、生前、自分や配偶者が親の介護などの面倒を見てきたのに、なぜ何も負担しなかった他の兄弟と相続額が同じなのか、といった葛藤が生じたり、お金はもらいたいが、親の住んでいた家屋敷は誰も要らない上、なかなか売れそうにない、など、「ごく普通の庶民に財産の争いなど起こらない」とは限らないのです。
2 電気、ガス、水道、電話・・名義変更は忘れていませんか
相続の発生でついてまわる、お亡くなりになった方の不動産の登記の名義変更は司法書士さんにお願いするとしても(中にはご自分で手続きされる方もいますが)、受給されていた方の年金について年金事務所に連絡したり、電気・ガス・水道・電話・果ては自宅に取りつけている太陽光パネルなど、故人の名義になっているものの名義変更で漏れているものはありませんか。
悪意があるわけではないのでしょうが、ずっと寝たきりの高齢者がお亡くなりになった場合、家族が長年お世話をしていて、故人のキャッシュカードもふだんから家族が預かり銀行の用を足していたため、銀行口座はそのままになってしまうケースがあります。引き落とし口座がそのままであれば、利用していたサービスもその口座から引き落とされ、すぐに困り事が生じるわけではないため、よけいに銀行など金融機関への連絡や、各種名義変更が遅れてしまうということもあります。
遺言書も遺産分割協議書もなく、口座の名義人が死亡した場合に、銀行など金融機関にある資産を複数人で相続しようとする場合、金融機関によって多少手続きは異なりますが、通帳や金融機関の証書はもちろんのこと、口座名義人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本、法定相続人が確認できるすべての戸籍謄本、法定相続人全員の印鑑証明書などが必要となります。
また、様々なサービスの名義変更についても、窓口となる電話番号に電話をしても、まずは音声ガイダンスが流れ、「・・の要件の方は1を、・・の要件の方は2を、・・」というふうに、何回か聞き直さないと自分は何番を押せばよいのかわからず、しかも該当すると思われる番号を選択して押した後も、今度は「ただいま、電話が込み合っています。しばらくお待ちいただくか、再度おかけ直しください」というアナウンスが流れ、そこからさらに長時間待たされる、ということもあり、90代の親御さんを亡くされた70代後半の方が、名義変更のためにこうした作業を何回も行う、というのは非常に負担が大きいと想像されます。
超高齢化の時代です。相続や終活に関する些細なことでも、ご不安やご負担に感じたらお気軽にご相談ください。
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