公正証書遺言のデジタル化について

1 公正証書のデジタル化とは?


2025年10月1日施行の公証人法改正により、公正証書の作成手続きがデジタル化されています。このことに関し、昨日(12月11日)、公証人の方をお招きしての行政書士会研修会がありました。

お話によると、大きな変更点は、以下のとおりです。
1 公正証書の原本は従来の紙からPDFなどの電磁的記録が原則となります。控えとなる謄本は、従来の紙で交付か、CD‐Rなどの記録媒体による電子ファイルでの受け取りが選択できるようになります。
2 署名・押印の廃止(電子化)
これまでは、紙媒体にご本人(嘱託人)や証人、公証人が署名押印していましたが、電子化に伴い列席者がタッチパネルにペンタブレットを利用して電子サインを行います。このため、これまで必要だった印鑑登録証明書は不要となります。
3 Web会議システムを利用したリモート方式の導入
今回の改正で最も大きな点は、申請により公証人が「相当」と認めた場合など、一定の要件を満たす場合に、わざわざ公証人役場に出向かなくとも公正証書を作成できるリモート方式の導入ではないでしょうか。

2 公正証書遺言のデジタル化について

リモートの方式も、⓵ご本人や証人など列席者の各自が自分のPCから参加する、⓶列席者がご本人のご自宅など公証人役場外の場所に集まり、1台のPCから参加する、③列席者の1部が公証人役場に出向いて公証人のPCで参加し、他の方は⓵や⓶の形で参加する、など様々な方法があるようです。

ただし、リモート方式を利用するには、使用されるMicrosoft Teamsが利用でき、タッチパネル付きのパソコン(スマートフォンやタブレットでは画面共有ができないため不可だそうです)が必要など、必要な機材をそろえる必要があります。

ご高齢などで移動が困難な方が、わざわざ公証人役場に行かなくても公正証書遺言が作成できる、というリモート方式は、必要機材はもちろん、利用者も慣れ、制度も定着するなど利用しやすい環境が整えば、確かに利便性は高いかと思います。

今のところ、対面式においても、高齢者の方も、使い慣れないペンダブレットに戸惑いは見せられても、多くの場合支障なく署名されているようです。ただ、列席者が内容を確認したり順に署名していく途中で、1人が書き損じたり、回線の問題などで中断すると、また最初の方からやり直しになることもあるとのことで、そこはちょっと緊張するかなと思いました。

行政書士樋口千恵事務所 


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