産業廃棄物の処理の推移と今後について

1 産業廃棄物の量と推移・内訳


 日本で、産業廃棄物の量は令和5年度で約3億7,000万トン弱と、廃棄物の量の全体の9割を占めています。約4億トン弱という産業廃棄物の量、廃棄物全体に占める割合とも、近年はずっと横ばいの状況が続いています。

産業廃棄物については、排出量の約8割について、焼却による減量化、破砕・粉砕による減容化などの中間処理が行われ、体積や重量を減らし、リサイクル可能な資源が取り出され、有害物質を無害化するなどの措置が取られています。

中間処理を経た処理残渣量のうちの処理後再生利用量と、直接再生利用量を合わせると、約2億トン余り、半分以上が再生利用量となっています。

こうした処理工程の結果、埋め立てなどの最終処分量は900万トン弱、約2%までということですから、全体量からすればずいぶん最終処分まで回る量は減っているのではないかと感じますが、最終処分場の残余年数は約17年ともいわれており、狭い国土に埋立地を確保することが難しい日本では、今後も「廃棄物そのものを減らす」ことが求められています。
(ちなみに、国土の狭い日本では、ゴミは焼却処分がメインですが、国土が広いアメリカなどでは埋め立てがメインなのだそうです。ゴミの埋め立てに土地を使うとは、日本では贅沢な話かもしれません)

2 産業廃棄物の種類と今後の動向

ところで、約3億7,000万トンの産業廃棄物は、業種別でみると、電気・ガス・熱供給・水道業などのインフラ関係、農林業、建設業で全体の約7割を占め、種類別でも、これらの業種から出る汚泥や動物のふん尿、がれき類の合計で全体の約8割を占めています。

今後も、この傾向が急激に変化するとは考えづらいですが、特にエネルギー・インフラ関係では、耐用年数を迎えた太陽光パネルや蓄電池(リチウムイオン電池等)が産業廃棄物として増加することが懸念されています。

余談になりますが、2012年からFIT(固定価格買取制度)が開始され、太陽光パネルが急激に普及・促進されたとき、「この太陽光パネルが不要になったとき、その処理はどうなるのだろう」と思ったことがあります。

大量に廃棄される太陽光パネルは一面、ビジネスチャンスでもあるかもしれませんが、太陽光パネルには鉛やカドミウム等の有害物質も含まれており、様々なガイドラインに従って適正に処理することが必要です。
また、プラスチックやがれき・木くずの再資源化の一層の推進など、資源循環型社会の推進に向けた対応がさらに求められるでしょう。

産業廃棄物の処理は経済・社会を支える仕事であり、無くなることは考えづらいですが、社会全体や、細々した法令の変化、要請に対応していかなければならないのは、他の業種も同じとはいえ、大変なところです。

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行政書士樋口千恵事務所

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